八丈島ユニバーサルキャンプ(09.09.13)

 八丈島で開催された「ユニバーサルキャンプ」
NPO法人ユニバーサルイベント協会主催
2009年9月12日〜14日

年齢や障がいの有無にかかわらず、ともに協力し合い、みんなが一緒に暮らせる社会の実現を目指して、私たちは、『ユニバーサルキャンプ』を実施します。

ダイバーシティ(diversity)の考え方に立ち、年齢や障がいの有無に関わらず、参加者へ、そして社会全体へ向けて、「みんなが一緒にいきいき暮らせる社会(ユニバーサル環境)」への意識を喚起し、行動を身につけることによってその普及発展を促進させていきたいと思います。
当キャンプは、豊かな自然の中で、キャンプという日常生活より少し不便な環境を味わいながら、誰もがそれぞれできることとできないことがあることに気づき、お互いに対等な関係で協力しながらサポートしあうという経験を通して、一人ひとりが尊厳を持つ対等な関係としての自立・自律をめざすとともに、その輪を広げてゆくために実施します。*ダイバーシティ(多様性)・・・異質な人々が融合するダイナミズムに価値をおく考え方

ダイバーシティコミュニケーションプログラムで私は「カラーユニバーサルデザイン・色弱者の話」をさせていただきました。



教科書会社で教科書のCUD化会議

 来年度の小学校教科書から、教科書はCUD化しなければならない。これは文科省が何年か前に決めたことである。教科書協会では平成19年7月11日に教科書編集におけるユニバーサルデザインについて」という講演を行った。42社の教科書会社が話を聞いて帰られた。以後、多くの教科書会社が相談に来られた。
短期間に集中することが予想されたため、発行冊数の規模に応じて、社内に検証機能を持つことになった会社。全てを外注にするなどの方法を決めていった。検証エンジニアリングの様々な方法が試されることになった。

こうして、CUDに関しては徐々にCUDOから検証作業の委譲が行われてゆくことになるのだろう。

伊賀

小平の印刷会社社内セミナーで講師(09.07.25)

 小平市の某印刷会社でセミナー講師
2009年7月25日
小平駅

 今回は荻窪のCUOD事務所から液晶プロジェクタとプロジェクタスクリーンを持参した。行き先は小平市の某印刷会社。印刷会社は非常にCUDに熱心な業界の一つである。その理由として印刷物の大半は非常に短命であることが上げられる。リチャードバックミンスターフラー曰く、エフェメラリゼーション。技術の揺籃期・懐胎期はその分野によって違うが、一般の印刷物は短命な製品の代表格である。
 例えば、携帯電話の日本における買い換え期間は2.6年(内閣府調査)冷蔵庫・テレビは約10年、パソコンは4年、デジカメは3年である。衣服はもう少し持つだろうし、自動車も買い換えなければ相当持つものなのだが、逆に住宅などは数十年持つだろう、飛行機や高速鉄道なども長持ちする。つまり、買い換え・作り直しまで時間がかかるものに新しい技術や情報系が入るのには時間がかかるのだ。対して、株主報告書のように毎年新しく作り直すものはすぐに改善が可能であるし、広告などはさらに短命である。それゆえ印刷業界は非常に早い時間で対策が求められているのだ。

 そして、印刷のCUD化に余分なコストがかからないように考えなくてはならない。どんな良いもの・良いことであっても、従来技術・従来製品と比較して初期投資やコストがかかるものは受け入れまでに時間がかかる。例えば太陽光発電を急速に普及させるためには、初期投資費用を住宅以上に優遇して調達できる仕組みがあれば良いのだ。現在太陽光発電パネルから生み出される電力を日本の電力状況から回収すると約13年かかる。私が初期に設計した徳島県初の太陽光発電システムは起動からすでに13年が経過した。この初期投資を自前で持つのではなく屋根の一部として住宅ローンを組んでしまえば、電気代で屋根代が払えてしまうことになるのだ。このような仕組みで爆発的に普及を促進することは可能なのである。

 CUD化をコストダウンして行うためには、CUDに関する資料・制作者・ツール・指導が必要である。これらを順次揃えており、アドビをはじめとしたシミュレータやCUD配色セット、書籍カラーユニバーサルデザイン、バリアントールなどの体験セット、講演などが準備されている。また、実際に作った製品などの検証を行う第三者機関も必要となる。

 今回訪問した印刷会社は、非常にエコな印刷を行っている。広い空間に置かれた臭くない印刷機は従来のシンナー臭い印刷工場とはイメージが異なっている。やがては全ての印刷会社がこのような形に変わってゆくのだろう。製版システムがいつの時代まで続くのか。やがてはコンピュータから直接、高速インクジェット印刷機によって大量印刷されるようになるのだろう。すでに京セラによって、600dpiで分速330mの印刷が可能なインクジェットヘッドが開発された。コダックが昨年発表したミシシッピはA4フルカラー印刷を1分に2400ページ印刷できる。いつまでも製版が必要かどうかの分岐点を迎えている。

 今回の印刷会社にはすでに色弱者の当人がカミングアウトしていた。そう、印刷会社・制作会社に必要な資料やツールはすでに提供済みなのだから、あとは、当事者である私などの話を聞いて頂ければ良いのである。


浜松の企業でカラーユニバーサルデザインセミナー(09.07.21)

 朝早起きして新幹線で浜松の一部上場企業デザイン部へ。


浜松駅

 午後一番でカラーユニバーサルデザインに関するセミナーがあるので、講師を務める。
13時半〜15時半の約2時間開催、受講者は主としてデザイナー・営業の方達と責任者の方達。約50名。実に真剣に話を聞いて貰った。

 セミナーの後、参加者がそれぞれの仕事の中で抱えている色に関する問題の相談会を開く。
主として液晶画面のGUIに関する質問が多かった。いきなり、問題点を指摘されても、その本質に触れることが難しいのだが、セミナーの中で説明を聞いたことと、今そこにある問題点に対する指摘がピッタリとマッチする、情報が知識化し創造力と接続されてゆく。

プロダクトデザインにおけるUDは操作性に重点が置かれていることが多いが、もうひとつ違う点があるのではないか。ストレス無く操作できると、創造力が発揮できることもある。私はApple系なので、Windowsの操作性にいまひとつ馴染めないのでそう思うのかもしれないのだが、事務所ではWindowが使われていて、やれネットワークに繋がらないとか、サーバーがおかしいとか、メールが消えたとか年がら年中問題を起こしているのを見るに付け、MACにしておけば何も悩むことは無いのにと思う。あれやこれやと悩む時間を創造性に向けることもできるだろうと思う。

そういう意味で、AdobeのCS4には即アップデートするべきだなと思っている。もちろんCUDOが技術協力したCUDチェックツールが搭載されていることもあるのだが、さっさと仕事を片づけてCUDチェックなどをする余裕が生まれるのではないかな。

 1986年頃、キーワード登録して、科学論分データベースからクリッピングサービスを受け、ネットから落として、所定のフォーマットに仕上げるというシステムを作って、大学の助手さん達に提供していた。普通、助手さん達は土日返上して、論文を捜し、手で入力して教授に報告していたのだ。当然うまくやらないとデートもできなかったのが、教授が帰ると同時に仕上げてさっさと待ち合わせに出かけられるようになったのだ。

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デジカメメーカーでセミナー(09.07.06)

某デジタルカメラなどを作っているメーカーの社内でCUD講演
2009年7月6日 午後 約50名 参加者 デザイナー・開発者・責任者

 
デジカメ画像(本文とは全く関係ありません)

 本日現在、デジカメメーカーでCUD合格している製品を公開しているのはオリンパスイメージング1社だけである。他のデジカメメーカは対応しないのだろうかと心配な色弱者の諸君の思いが届いている。何が心配かと言うと、買ってみなければ分からない色弱者に使えない機能があるのではないか。また泣き寝入りさせられるのではないかということなのである。思えば、充電器の状態を示すLEDが何故長期にわたり暗くて見えない「赤」であったり、いつまで経っても色が変わったように見えない「橙」から「緑」に変わるLEDであったりしたのだからしょうがないだろう。そしてそれらは店頭で確かめられないものなのだ。

 さらに興味深い話だと思うが、「色弱者には自分が不利な目に遭っていることを知らないままの人がいる」ということなのだ。例としては、充電中と完了が色が変わったと思ってない色弱者は「電源が来ている」というLEDだと思っている。色が変わったことに気づかないのだから当然である。つまり、デジカメに詳しい色弱者が代わりに徹底的に調べて、いくつかのタイプの色覚でチェックをしなければならないのである。製品毎に条件や係数が異なるために、現在は感性試験をしなくてはならないが、やがては社内のCUD仕様が作られるだろう。その部品や色を使うだけで何の問題も無く、CUD化ができるようになる。すでにカラー複合機(コピー機)の世界や、教科書会社の中ではそのような方向が始まっているのだ。

 さて、本日のデジカメメーカでも、色弱者の社印が存在した。これからは一緒に世の中を変えてゆきましょうと話し合った。こうしてセミナーを聞いて頂いた会社からはどんどんCUD製品が生まれてきている。社内の意思統一のためにはCUDセミナーが大変有効である。他社に対して一歩進んだCUD製品を作るためにぜひ勉強会を開いて頂きたいと思う。

広告代理店のデザイン部でCUDセミナー(09.06.30)

大手広告代理店系のデザイン会社でCUDセミナー講師
2009年6月30日 14時から16時
参加者 200名

 昨年日本でもトップの大手広告代理店にてCUDセミナーを2回開いた(のべ1500人が参加)のだが、それを受けた形でさらに拡大させたセミナーを開催。CUDOはどのようにすれば色弱者が困らない社会を作れるかを考えることのできる当事者でもあるのだが、CUDOは営業活動を行わない。実際にデザインをしたり、クライアントと相談したりするのは、広告代理店や制作会社なのである。

すでに一部上場企業の2割以上がCUDに取り組んでいると強く感じる今日この頃だが、CUDOが全ての企業と1対1でコンサルティングをするほどの規模にはならないだろう。すでに世の中にある営業や制作の仕組みの中に組み入れて頂くだけで良いのだ。そういう意味で本日のような広告代理店系デザイン会社におけるセミナーは大変有意義である。私1人が語ったことを100倍にも拡大して広げて頂けるものと思う。

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神奈川県 高校の養護教員向けカラーユニバーサルデザインセミナー(09.06.24)

神奈川県民センターで 神奈川県高校の養護教員向け色覚バリアフリーセミナー講師
6月24日 14時から16時半 参加者 200名ほど


横浜駅

 実は神奈川県からのCUDや色覚関係に関するご要望は大変多い。今回は養護教員の先生向けであるが、人権問題にからんでいたり、保健の先生であったり、色々な立場の先生方からご依頼を受けて、これまで10回以上の講義をした。多の自治体ではどうしているのだろうか?CUDOでは自分から売り込みなどをしないので、問い合わせ先を捜して困っていたりするのかもしれない。今後は啓発普及活動として特に教育関係にも情報提供をしていった方がいいかもしれない。

 さて、養護の先生方は、たいへん真剣に話を聞いてくださいました。特に学校の生徒達の将来を大変心配されておりました。就職先から無体な要求をつきつけられることもあるとのこと。これはやはり、色弱者に対する誤解を解き、誰もが安心して暮らせる社会へと変えてゆかなければいけない。

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NPO 法人福祉住環境ネットワークこうちで講演(09.06.18)

主催:NPO 法人福祉住環境ネットワークこうち カラーユニバーサルデザインセミナー
参加者:約25名
会場:高知市文化プラザかるぽーと9階 
日時:2009年6月18日 18時半から21時

高知市文化プラザかるぽーと

講演やセミナーの多い順番で言うと、
 ・企業      80%
 ・学校・自治体  20%
 ・各種団体    10% というところだろうか。

 企業のセミナーについては、この講演記録ブログでは公開できないこともあるというかほとんど公開しない。良いことをやっているのだからどんどん公開すれば良いと思うのだが、まだ製品側の対応が不十分な場合などは、製品化が終了してから取り組みを公開するというケースが多いのだ。であるから、私の話やCUDOの話を聞いて「まだまだ世の企業は取り組んでないのだな」と早合点してはいけない。CUDOや私は機密保護に関して厳しい立場を取っているので、どこが何をやっているともやって無いとも言わないのだ。言えることは、ほとんどの業界で取り組みは既に始まっているということまでである。

 さて、市民運動・市民活動などは、市民→自治体→企業→制度 などのように下流から上流へと流されてゆくことが多いのだが、その流れからするとなかなか世の中が変わるのに時間がかかることが多い。カラーユニバーサルデザインについては、上流も下流もなく、いつでも誰でも個人さえもが身の回りから始めることができるのだ。強制や強請ではなく意識改革なのだ。それゆえ、一般的な市民活動と比較すると企業サイドからの取り組みが非常に活発な反面、NPO等の分野に於いてのCUD認識は遅れていたりする。

 今回、福祉の先進県である高知県からオファーをいただいて、講演をすることになった。会場には息子さんが色弱だと分かって心配している親御さんも来られていた。なーんにも心配しなくて良いという話を聞いて、安心されたと思う。誰もこの分野で話してくれなければ、心配なわけだ。
 私は常々言っているのだが、NPOの場合には費用捻出が困難な事も多いだろうから、時間が許せば出かけて話をする。どんどん相談して欲しい。

国際デザイン・ビューティカレッジでCUD授業(09.06.18)

高知県 国際デザイン・ビューティカレッジで学生200名にCUD講演
2009年6月18日 13時から15時

 
高知龍馬学園 →こちらhttp://www.ryoma.ac.jp/

 プロダクトデザイン科・インテリア建築科・グラフィックデザイン科等の生徒さん達がものすごく熱心に聞いてくださいました。一緒に聞いて頂いた先生方のお話ですと、これまでのいろいろな外部講師を招いた講義の中でダントツだったとのこと。

こういう褒め言葉を何度も聞いた。「目からウロコ」とか「アタマから水をかぶせられた」とか、中には「背中を押してください」などと物騒なものもある。この「目からウロコ」というのは、悪魔にだまされて蛇のウロコが目に被さっていたのを、神に導かれて目からウロコが落ち、正しい神の僕になったとかいう話なのだそうだ。

高知新聞 2009年6月19日(金)

デザイン学校・美大などで私たちの話を聞いて頂くと、生徒の出席率は抜群だろう。覚醒率も99%。また、体験入学の授業などでも一般の方がたくさん来るだろう。CUDが関係する分野はすべての分野の垣根を超えているのだ。

このような話は今回に始まったことではない。私はずっとこんな話をしてきた。
「今は、まだコンピュータが部屋一個を占有しているのですが、そう遠くない時期にコンピュータは一人一台の時代が来る」
「電話は基本的に無線が当たり前になる」
「コンピュータは専門家のものではなく、使う人のものになる」
「世界中のみんなのコンピュータが接続されていて情報が共有できる」
「図書館に行かなくても全世界のすべての本を今いる場所から無線端末で読めるようになる」
 「太陽光発電による安全なエネルギーがメインとなる時代が来る」「化石燃料を燃やして走る車から電気自動車への変換は非常に早い内に変わる」
 「フィルムカメラは終わってデジタルカメラになる」

今ではみんなが当たり前だと思っていること。そういうことを30年も前に確信して話していたのだ。いま、私の話を聞いている生徒達は、あの時話を聞いてくださった方達と同じ目をしている。私は一つの分野で深く研究をするタイプの研究者ではなかった。研究者と企業、消費者とデザイナーの真ん中にいるエネルギーポイント(by Yasushi Kajikawa)である。

山梨県インテリアコーディネータ協会でセミナー(09.06.17)

 山梨県インテリアコーディネータ協会でセミナー講師

2009年6月17日 甲府市 会場 リバース和戸

会員のインテリアコーディネータさん達30名に、バリアントール体験・講義・質疑応答などで約2時間半。

色を装飾的に扱うプロの方達から出る質問の中にこういうものがある。
「色弱者は色にどのような感情を持つか?」というものなのだが、これは分けて考えなくてはならない。
 ● 個人体験色彩感情
   イメージを自身の体験と接続して想起される感情は個人的なものである。
 ● 民族的色彩感情
   特定の地域・環境・文化的背景に左右される。西洋では太陽は黄色。フランスでは林檎は緑と思う人が多い。
 ● 普遍性色彩感情
   上記二つに左右されない色彩感情と言われているもの。深掘りするともっと分けられる。

この中では個人体験と民族的色彩感情は色覚型ではなく、色名理解と色弁別能力に左右されるだろう。色覚型によって左右されることが多そうなのは、普遍的な色彩感情と言われるものだろう。

先天性色覚タイプは普遍性があるかどうか。実はそこのところを研究している研究者がいらっしゃるので、発表を待たれたい。

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